第51章 一途な総長は大人な彼女と幸せな愛に溺れて(❤︎)
「っ……オレが言いたいのはそういうことじゃなくて…!」
「?」
抱き締めるのを止めたマイキーが少し体を離し、カノトを凝視める。
「もちろんこの時代のカノも好きだよ。相変わらず可愛いし天使だし、誰の目にも触れさせない場所に閉じ込めて監禁したいってくらい愛してるけど…!」
「(不穏なワードが…)」
「けどさ…初めて出逢ったのも、いろんな場所にデートに行ったのも…未来のオマエなんだよ」
「……………」
「薬指の約束だって、ハジメテを捧げてくれたのだって、全部26歳のカノだろ」
「万次郎くん…」
苦しみと辛さが混ざったような、切ない声にカノトの心が揺さぶられる。
「言っとくけど、14歳のカノとは一切えっちなコトはしてねーから」
「え?そうなんですか?」
「まぁハグくらいはしてるけど…。でも、キスもえっちも未来のオマエとしかしてない。つーかもう、26歳のカノにしか性欲が湧かなくなった」
「(それはそれでこの時代の私が可哀想な気もするけど。でも…嬉しい。)」
「顔が緩んでる。本当カノはオレのこと大好きだなー。前から知ってたけどさ」
「そうですよ。大好きで大好きで仕方がないからこそ、本当は別れるのが辛いんです。私だって…願うことなら、ずっと万次郎くんと一緒にいたい」
マイキーの手をそっと握り、切なげに笑みを湛える。
「万次郎くん」
「ん?」
「私のこと好きですか」
「当たり前だろ。好きじゃなきゃ、ずっと傍に置いたりしない。こんなに…オマエを求めたりしない」
「私のこと大好きですか」
「めちゃくちゃ大好き。毎日言ったって、まだ言い足りない。それくらいオレはオマエに夢中だよ」
「じゃあ…26歳の私でも、愛してくれますか?」
「愛してるよ、この世で誰よりも、一番に。それに歳なんて関係ない。オレは26歳のオマエに惚れたんだ。カノが好きだ…心の底からオマエを愛してる」
「っ…………」
「カノは泣き顔も可愛いね」
涙ぐんだ顔で泣きそうになれば、小さく笑ったマイキーが手を伸ばし、指先で涙を拭ってくれた。
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