火光 − かぎろい − 【鬼滅の刃 / 煉獄杏寿郎】
第21章 希(まれ)を込め、想う ˖☽°.*
ふみのが目を開くと、
得意然とする杏寿郎がいた。
「…っっ!!
でもっ、…いじわるは、だめ…っ!」
泣きそうに瞳を潤ませながら、
必死に訴えるふみのに
杏寿郎は両手でその頬をつつんだ。
「…すまない。
ふみのが可愛らしくて、つい」
「…〜〜〜…っ、もう…っ」
時々杏寿郎がちらりと見せる予期せぬ表情に
ふみのは翻弄させられてしまう。
むくれるふみのの額に
杏寿郎はこつんと自分の額を当てる。
「……、…っ!
ひゃっ!?」
ふみのに挿入されたままの
杏寿郎の陰茎がとくんと疼く。
杏寿郎が恥ずかしそうに
ふみのを覗いた。
「…動いても、いいか?」
杏寿郎の潜めた声がふみのの奥処に響く。
ふみのは小さくこくんと頷くと、
杏寿郎は両腕で細い身体を抱きしめ、
再び律動を始めた。
威容なる杏寿郎の身体の熱が直に伝わり、
ふみのは逆上せてしまいそうになる。
杏寿郎の昂りは先程よりも猛々しく腫れ上がり、
ふみのの腹部を更に圧迫していく。
(さっきよりも、奥に、くる…っ)
膨らみを増長させ最高潮に向かって、
ふみのの奥芯を不規則に狙いつけた。
「──ふみの…っ」
絶頂へと顔を顰める杏寿郎に
ふみのも再び撓り始める。
「好きだ…っ、心から、愛してる…っ」
「私も、好き…っ、
杏寿…郎の、こと…っ、
愛してる…っ」
「ん"っ───…」
「…あぁぁっ…!」
ふみのの秘腔がびくんと跳ねたのと同時に、
杏寿郎は噴き上げる吐精を堪え、
勢いよく陰茎を引き抜くと
白濁した飛沫をその腹に放った。
杏寿郎は軽く息を整えて、
塵紙でそれを拭うとふみのに倒れ込んだ。
重なる二人の身体が上下し、
火照る息を冷ましていく。
ふみのが杏寿郎の焔色の髪を
子をあやすようにゆっくりと撫でた。
夢から醒めていく微睡みの中にいるようで
甘く馨しい余韻に二人は目を瞑った。
「…もう一度、湯に浸かろうか」
「うん、そうね。
…ねぇ、杏寿郎…?」
「…ん?」
「私、…とっても幸せ」
杏寿郎は顔を上げると、
ふみのが瞳を潤ませて微笑んでいた。