火光 − かぎろい − 【鬼滅の刃 / 煉獄杏寿郎】
第19章 目覚めたその視線の先に ˖☽°.*
ふみのはふうと息を吐きながら、
知らずうちに強張っていた力みを弱めた。
杏寿郎はそれを見て、更に指を奥に進めると、
ぬめらかな膣壁をとんとんと刺激した。
「っきょ、じゅろ…、も、だめ…、んっ──」
杏寿郎の指先にも蠕動のうねりが伝う。
ふみのが絶頂へと向かうのが間も無くだと感じ取った。
(此処だな…)
その姿を見たいが故に、
杏寿郎は指の動きを不規則にも速めていく。
「っや、それ、だ め…っ、
もう きちゃ、ああっ───…」
ふみのの蜜窟がきゅうっと締まると、
痙攣が総身へと駆け抜け、
ふみのは達してしまった。
ふみのが肩で息を整えていると、
杏寿郎はふみのの顔に手を伸ばし、
目尻に溜まった涙を指先で拭ってくれた。
艶麗の色を増していくふみのに
杏寿郎の熱を帯びた猛りは最高潮に滾る。
「ふみの、もう…っ」
「…うん…っ」
杏寿郎は性急に着流しを布団の脇に脱ぎ捨てた。
ふみのの目の前に逞しい肉体が現れ、
その目は忽ち奪われていく。
杏寿郎はふみのの両下肢を
ゆっくりと持ち上げると
滑らせるように自身の下半身を寄せた。
下帯越しにそそり勃つ昂りが
ふみのの花芽に充てがわれた。
「…んっ」
火を纏ったように互いの熱い淫部が
うっとりと焦らすように擦れて、
ふみのの秘部をじんじんと絞める。
せつなくて
どうにかなりそう…っ
もう布越しでなく、
その漲りを直に、感じたいのに。
ふみのは自分が如何わしいことを考えていると思うも
人間として生きるが故の、
ありのままの真意であると悟った。
交わる前の、言葉では何にも代えることができない
狂おしいほどの愛おしさに
ふみのの下半身が今まで以上に疼く。
ふみのが杏寿郎を見上げると
その表情からは余裕が薄れ、息が上がっていた。
人間とは欲深い生き物だと、杏寿郎は思う。
目の前に 愛するふみのがいて
そして俺のことを、愛してくれている
心も身体も一つになる歓びに
こんなにも満たされているのにも関わらず、
更にもっとふみのを自分だけのものにしたいと強欲さが募る。