火光 − かぎろい − 【鬼滅の刃 / 煉獄杏寿郎】
第19章 目覚めたその視線の先に ˖☽°.*
ふみのは左手をそのまま杏寿郎の首に回し、
自分の方へとゆっくりと抱き寄せて口付けをした。
杏寿郎が 好き
何度も、何度もふみのは想う。
そしてその想いは満ち足りることなく、この胸に溢れてくる。
ふみのからの抱擁と口付けに
杏寿郎も喰らうようにその唇を覆う。
杏寿郎の手がふみのの髪をくしゃりと撫でると
ふみのも柔らかな焔色を梳いていく。
互いの甘い熱が溶け合い、
ただその心地よさに微睡む。
二人の溜まった吐息が漏れ、
名残惜しそうに唇は解かれてゆくも
見つめ合う視線は決して揺るがない。
杏寿郎はふみのの右手の甲に唇を落とした。
緋色の熱い眼差しが、ふみのの瞳を射抜く。
「…触れても、いいだろうか」
「うん…っ」
杏寿郎はふみのの手を布団に置くと、
双つの柔い膨らみへと両手を滑らせ、
ゆっくりと揉みしだく。
それは杏寿郎の指に合わせるように馴染み形を変えてゆき、
じんわりと這うように、その頂点へも指弄する。
「っひゃ、んンッ…」
ふみのはその微かな刺激に目を閉じ、
顔を赤らめて横へと背けた。
ふみのの様子に杏寿郎は拍車が掛かるように
豊かなその乳房の実に唇を被せ、
淡く熟れた先端をきゅっと啄み、吸いたてた。
「っゃぁ、ぁっ…」
杏寿郎の舌の動きと同調するように
ふみのの頂は、口内で小さくつんと尖る。
ふみのが体を捩らせるたびに
布団に乱れる髪が夜月の光に照らされ、
艶めきが増してゆく。
その光景に、杏寿郎の籠った熱がびくんと疼いた。
ふみのは収まらない顔の火照りと
声を隠すように、左手で口元を覆った。
杏寿郎と交わるのは初めてではないのに
久しぶりの肌の擦れ合う感覚に
ふみのは酔いしれる。
杏寿郎はそれを見て、頂から顔を離すと
ふみのの口元の手をそっと外し、
もう片方の手を顎に添えて
正面へと顔を向かせた。
「…ふみのの声を、
どうか聞かせて欲しい」
「…で、でも、…はずかし、…っ」
杏寿郎の雄々しい瞳に見つめられ、
ふみのは益々恥ずかしさが増していく。
気付けば、視界が涙で潤んでいた。
杏寿郎はふみのの恥じらう姿さえ、
愛おしくて堪らないのだ。