火光 − かぎろい − 【鬼滅の刃 / 煉獄杏寿郎】
第15章 下弦の壱、そよぐ勿忘草 ˖☽°.*
ふみのの潤んだ瞳から
一粒の涙が零れ落ちる。
それを掬うと杏寿郎は
ふみのの瞼にそっと口付けを落とした。
「俺も幸せだ。
ふみの…この先もずっと一緒だ」
「うん…!
私、杏寿郎から絶対離れない…っ」
ふみのと杏寿郎は微笑むと
再び、熱い口付けを交わした。
杏寿郎はそのままふみのの首筋へと
唇を伝わせると、
杏寿郎の愛撫にふみのは思わず体が捩れる。
「ん…っ、きょうじゅ、ろ…っ」
ふみのは杏寿郎の髪をくしゃっと掴む。
滑らかな指通りに、
それだけで体の奥が痺れてしまいそうになる。
杏寿郎はちゅっと音を立てながら
ふみのの首筋に吸い付く。
「…やっ…っ」
ふみのの甘い声が
杏寿郎の欲を掻き立てる。
杏寿郎は体を起こすと
羽織と上の隊服を脱ぎ捨てた。
ふみのの前に
杏寿郎の上半身が露わになる。
ふみのはその鍛え抜かれた
杏寿郎の体に、思わず息を飲む。
あまりの逞しさに、目が離せなくなる。
「…ふみの、いいか…?」
ふみのの帯締めに
杏寿郎は指を掛けていた。
初めて見る、杏寿郎の余裕がない表情に
ふみのはそれすらも
愛おしく感じてしまう。
「…う、うん…っ」
自分の体を初めて異性に見せる。
ふみのの鼓動は嘗てないほどに
高鳴っていた。
器用に帯締めを解かれ、
帯も取り除かれる。
杏寿郎は長襦袢の襟元ごと掴むと、
ゆっくりと左右に開いた。
杏寿郎の前に現れた
柔く形の良い双つの膨らみ。
ふみのは、恥ずかしさのあまり、
その光景を直視できずに、
ぎゅっと目を瞑り、顔を背けた。
杏寿郎の吐息が胸元にかかる。
その部分から、ぞくぞくと
電流のような痺れが全身に伝う。
杏寿郎はふみのの乳房を
両手で優しくつつみこんだ。
乳房の先端の実を口で咥え、舌先で転がすと
ふみのは首をふって仰反る。
「や…っはず、かしい…っ」
杏寿郎は初めての柔さに
無我夢中になって揉み解す。
舌先に転がる赤い実は
徐々に固く締まっていく。
「…っ…!」
ふみのはあまりの気持ち良さに
声が出そうになる口元を
手の甲で必死に塞ぎ、抑えた。