第6章 よかった
学校につく。
と同時にチャイムがなる。
「立ち話……長すぎたな(笑」
「う、ん……」
遅刻。
二人揃って。
でも正直に「遅刻しました」と門をくぐるほど私達はイイコじゃない。
何処かに入れるところはないか、目だけで探す。
もちろん、門の少し後ろ。
門の前の先生から、ギリ見えないくらいの位置から。
「…!おい、あったぞ」
「……ホントだ!んー……あの位置は……あそこから行こう!」
スイスイ進む作戦会議。
この作業も、だいぶ慣れたものだ。
先生にバレないように移動。
先生にバレないように作戦開始。
なのに……
カシャンっ
「おいお前ら!コッチに来い!」
しまったぁ!
フェンスを乗り越えるとき、私が鳴らしてしまった。
「うわ!急げ!走るぞ!」
なんとかフェンスを越え、着地した瞬間。
和也に手を引かれ、転びそうになりながらも先生から逃げた。
「………はぁ………はぁ…………っ………はぁ~!焦ったぁ!」
「はっ……………っうん……!」
朝から汗だく。
「…………っ……あは……あははははは!!」
「くっ………はははは!」
思わず笑い出す私達。
周りの人から見たら急に笑い出す変な二人組だ。