第4章 誰か……………!
「っ!…………ぁ……!」
全身を強く打って動けない。
秀一くんはそんなのお構いなしに話し始める。
「あぁそう。お姉ちゃん、あの和也って奴が好きなんだ?」
「ち、ちが………!」
「違う?じゃあ何?あぁ………そっか」
秀一くんはどんどん近づいてきて、私に馬乗りになる。
「あーんなやっすい誘いにのるなんて…………………こういうこと期待してるからなの?」
「え?なに……んっ!」
突然重ねられた、秀一くんの唇。
何が起こっているのか、よくわからなかった。
「………………っ……口、開けろよ」
開けて何をされるかわからない私じゃない。
絶対開けるもんか………!
私は逆に唇を固く結ぶ。
「……………うっざ」
一言。
その一言だけ言って、秀一くんは部屋から出ていく。
終わった………?
私も立ち上がり、部屋から出ようとする。
と
「何?まさか………出ようとしてないよね?おねえ ちゃん」
ガチャ………
静かに、扉が閉められる。
「………ね、ねぇ!秀一くん!」
ドアノブをガチャガチャいじるけどドアが開く気配はない。
鍵でも掛けられたのだろうか。
でもそんなはずはない。
だってこの部屋は鍵なんてついていないのだから。
「……今鍵なんてついてないのにって思った?…………くく………実はね、僕今日学校には行ってないんだぁ」
………え?
「お姉ちゃんを守るためなら何でもするよ?学校休んで特殊な鍵つけたり…………ね」