第4章 誰か……………!
我ながら丁寧だと思う。
靴を脱ぎ上がった時、私は靴を整えようと秀一くんに背を向けた。
これが間違いだった。
しゃがもうとした瞬間。
私は力強い腕に捕まった。
ドクン…ドクン…
恐怖、緊張、色んな感情から心拍数が上がっていく。
「…………ねぇ」
「……っ!」
突然の耳元での囁き。
体が跳ねる。
「僕のこと好きなんでしょ?お姉ちゃん」
「…………ぅ…あ…」
うまく言葉が出てこない。
「……………チッ………あぁもう!!来いよ!!」
そう言って無理矢理引きずられてきたのはこの部屋の中で一番奥で、狭くて、窓のない部屋。
私の体はそこに投げられた。