第3章 あれ………?
「アハハハッ!それホント?」
「マジマジ!でさ、その時の川島ったらさ!」
「………………」
しばらく歩いているけど、あれから一度も、秀一くんは喋らない。
本当、どうしたんだろう?
いつも、もっと喋るのに。
「あ、でさ!さらにここで……………ぅわっ!」
「え?!ちょっと!」
後ろ向きで歩いていた和也は、小石につまずいた。
倒れそうになる和也の手をとっさに握る。
そのおかげで、和也は転ばずにすんだ。
「ぁっぶね……ごめん、美琴」
「………ふぅ。うん」
その時だった。
「………っ!!」グイッ
「え?!」
秀一くんが、いきなり私の手を引き、和也から離した。
そして、私の肩に腕を回し、こう言った。
「お姉ちゃんは僕のだから、触らないで」
おおお?!これは嫉妬?!嫉妬なのか?!
キャー////嬉しいよぉ!
「お姉ちゃんも、触らせないでよ…」
え?ちょっと待って?なにこの可愛い生き物!
「うん!ごめんね秀一くん!気をつける!!」
ぎゅーっと秀一くんを抱きしめると、嬉しそうに笑ってくれた。
「……………あのぉ、俺いるんですけど……?」