喧嘩して「勝手にしろよ」と言ってしまったじゅじゅ男子【前編】
第3章 【前編】五条悟
┊ 五条悟┊
短時間の喧嘩の末、「うん。じゃあ勝手にしなよ。僕は何も口出ししないからさ」それだけ言って僕は部屋から出ていった。その時、が泣いてることにすら気付かずに。
毎日毎日秒刻みの任務予定。でも休日だけはゆっくりできる時間だった。角砂糖をたっぷりと入れた紅茶を飲んでいると、硝子が珍しく部屋に来た。その顔つきに、どこか胸の奥でドクンッと嫌な音がした気がした。
「五条……ついてこい。1つ報告がある」そう言った硝子はすごく冷たい声色をしていて…。
連れていかれたのは医務室の隣の集中治療室。重症な呪術師が眠っている場所。僕はどうしてもその中に足を踏み入れることが怖くて出来なかった。でも硝子が「おい、五条。お前が1番知ってるだろ。どんだけ大切な人でもいつかは手から零れ落ちる。そして血だまりの中に落ちるんだ。」知ってる。それは何度も経験してきたから…。でももう少し見えてるんだ。血の滲んだ包帯をつけているが。僕はゆっくりの元に行って、手の甲を撫でて必死に謝り続けた。謝ることになんて意味ないはずなのに。