第3章 はじまり
そういうことがあって3ヶ月間こういう生活をしてきた。
お母さんがニューヨークに行く1週間前くらいに2人でペットショップに行った。そこでルナと出会った。
産まれたばかりの、小さくてふわふわした身体にかぎしっぽがついた子猫に私は一目惚れしてすぐにルナを選んだ。かぎしっぽの猫はしっぽに幸せをたくさん引っ掛けて来るというのをお母さんから聞いたこともあり、すぐに気に入った。
─るるが寂しくないように。
お母さんはそういう気持ちでペットショップに私を連れて行ったのだとあとで分かった。
私もバカだよね…。前からお母さんが帰って来るのが遅かったのに、気付いてもおかしくないのに、呑気について行ってバカみたい。
ルナ「にゃ〜ん」
いつの間にかご飯を食べ終わったルナが膝の上にやって来た。そうしたら涙が溢れた。止まらない。
そうか、私は泣きたかったんだ。
私は可哀想な子だ。そう思えて仕方ない。未だに「もうすぐ帰るからね。」や「元気にしてる?」の連絡も一切ない。もうほぼ両親に捨てられたような私は…可哀想な子だ。
るる「3ヶ月も我慢してたんだし、今日くらいいいよね?」
泣き続ける私の手をルナが丁寧に丁寧に舐めながら見守ってくれた。