第10章 はじめてのおつかい
-回想-
るる「喉渇いた…。」
夜中に喉が渇いて目が覚めた。
るる「あ、茶葉が無くなってる。」
どうやら寝る前に飲んだので最後だったみたい。ちなみに茶葉は三成くんおすすめのもの。めっちゃ美味しかった。
台所までの暗い廊下を手燭(てしょく)の灯りを頼りに進んで行く。
台所で水を飲んでいると急に扉が開いた。
るる「っ!!」
びっくりして水が変なところに入ってしまった。
??「…るるか。」
るる「信長さ…っ?!」
入って来たのは信長様だった。信長様は私の唇に人差し指を当てて言った。
信長「ここであやつに見つかると厄介だ。」
スッと唇から指が離れる。
びっくりした…!信長様の指が唇に…!
心臓がバックンバックン鳴ってる!!
るる「えっと、信長様もお水飲みに来たんですか?」
できるだけ小声で、できるだけ平然と話す。多分平然とは話せてなかった気がする。
信長「いや。俺はこれだ。」
信長様が戸棚をごそごそやると中からガラス瓶を取り出した。
るる「それは…?」
信長「金平糖だ。」
瓶の中には色とりどりの金平糖が入っていた。
そんなところに隠してたの?!
信長様は瓶から出した金平糖をパクパク食べている。
信長「貴様にも分けてやる。」
るる「あ、ありがとうございます。金平糖お好きなんですね。」
片手に出してもらった金平糖を食べながら信長様を盗み見るとすごく嬉しそうな表情で金平糖を食べている。
本当に金平糖がお好きなんだなぁ…。
するとまた勢い良く扉が開いた。
今度は金平糖を喉に詰めそうになった。
??「誰だ!そこにいるのは!!」
この声、秀吉さん?
信長「…今宵はここまでのようだ。」
手のひらに金平糖をいくつか出してから颯爽と台所を出ていこうとする信長様の前に秀吉さんが立ちはだかった。