第7章 《戦国猫日記》羽黒との出会い
梅「信長様がお呼びです。天守に来るようにと。」
梅さんが私たちの部屋にやって来たのはタイムスリップしてからちょうど1週間経った頃のお昼。
あの宴の日以来、るるちゃんはお仕事をもらって毎日城内を忙しく動き回っている。
着物の着付け方も梅さんにばっちり教わってすっかり着こなせるようになっていた。
るる「分かりました。」
梅さんが部屋を出ていく。
るる「信長様がお呼びなんて…。なんだろうね?」
心当たりないの?でもとりあえず行かなきゃね。お待たせする訳にもいかないでしょ?
襖のほうに歩いて行く。
るる「あ、ルナも行くの?」
そうだよ〜!それに天守ってお城の1番高いところにあるんでしょ?行ってみたいの!あ、でも私のこと入れてくれるかしら。
るる「じゃ、行こっか。」
部屋を出て天守へ向かう。
廊下を進んで階段を上がると立派な襖が現れた。るるちゃんが襖の向こうへ声をかける。
るる「信長様、るるです。」
信長「入れ。」
るる「失礼します。」
中に入ると、広い部屋には何やらすごい物がたくさん飾られていて信長様が四角い箱みたいな物の前に座っていた。
信長様が私に気づいた。
信長「貴様も来い。」
わーい!ありがとうございます。
箱の前にるるちゃんと座る。
信長「少し付き合え。」
信長様が丸っこい箱を2つ取り出す。中にはそれぞれ白と黒の丸い石みたいな物が入っている。
さっきから思ってたんですけどなんですかこれ?
るる「囲碁…ですか?」
信長「そうだ。」
私聞いたことないよ。人間の遊びなの?
るる「囲碁はやったことないんです。オセロなら知ってるんですけど…。」
信長「おせろ…?」
オセロなら知ってるよ!ひっくり返すやつでしょ?家にあるよね。当然私はやったことないけど。囲碁ってちょっとオセロに似てるね。
信長「るる、俺におせろとやらを教えろ。」
どうやら信長様はオセロに興味がわいたみたい。るるちゃんがルールを説明して信長様対るるちゃんのオセロ対決が始まった。