第6章 歓迎の宴
※ルナ目線※
あのさぁ、『そいつ』って何?私にはちゃんと『ルナ』っていう、るるちゃんがつけてくれた素敵な名前があるんですけど?まぁ、ちゃんと名前言ってなかったから仕方ないけどさぁ…。淑女たる私に向かって『そいつ』はないでしょ。指差さないで。
ていうかさ、この人初めて会ったとき無理やり馬に乗せて来た人だよね?キャリーバッグに入ってたからグラグラ揺れてだいぶ気分が悪かったですよ。少しはそれに乗る猫の気持ち考えてみてよ。まだ子猫なのにとんでもない目に合った。きっとるるちゃんもそう思ってるよ。
あ、でもここの時代の人って馬に慣れてるのか。偶然テレビでやってたドラマで見たよ。馬って思ってたより速いんだね。ジェットコースター乗ってるみたいだった。これもテレビで見たことある。人間ってよくああいうの思い付くよね。何で鉄の塊をぐるぐる走らせてみようと考えつくわけ?人間っておかしな生き物だね。
るる「ルナのご飯はカリカリがあるから先にこれを食べさせます。もうすぐ無くなりそうなので。」
あー、そういえばここに来る前コンビニで買ったやつがまだいくつか残ってたよね。色んな味が入ってるやつ。あれは私のお気に入り。サーモン&チキン味とか海の幸ミックスブレンド味とか!人間の皆さんには分かんないかな?
政宗「かりかり…?」
るる「キャットフード…。えっと、猫専用のご飯です。」
るるがカリカリが入った袋を見せる。
政宗「そんなのがあるのか…。それ無くなったら食べるものどうするんだ?」
るる「無くなったら…。ささみとかがいいかも…。」
ささみ?!もしかしてここでもささみが頂けるの?!ここに来る前はたまに猫用のささみ食べたなぁ。あの柔らかい若鶏の食感といい、香りといい、堪らないんだよなぁ!あ、多分この時代には猫用のささみはないよね。蒸したやつでも十分美味しいと思うんだけどそれでいかが?