第4章 タイムスリップ?!
***
るる「え、これだけ?」
あの丘から少し歩いて私たちは本能寺跡に到着した。けど何というか…。思ってたのと違う。あの有名な織田信長が関係してるからもっと大きくて立派なものだと思ったのに…。
今、目の前にあるのは"本能寺跡"と文字が彫られ、その横に何やら色々書かれている。読んでみると本能寺の変の内容が記されているみたい。そんな小さな石碑がぽつんとあるだけだった。
もう帰ろうかなと思ったとき、どこからか白衣を着てメガネをした大学生くらいの男の人が歩いて来て石碑の前で立ち止まった。石碑をじっと見つめている。どうしたのかな?
ルナ「にゃ〜ん」
ルナがキャリーバッグの中から顔を出し空を見上げた。
るる「どうしたの?」
すると空が暗くなり始め、あっという間にどしゃ降りになった。
るる「嘘っ…。あんなに晴れてたのに!」
??「大丈夫ですか。傘ありますか。」
男の人が私に話しかけてきた。
るる「いえ、持ってないんです…。」
そのとき、雷の音が近くで鳴り響き…。
ゴロゴロ…。ドカーン!!
るる「わっ…!」
ルナ「にゃあああ!」
反射的につむっていた目を開けると石碑が真っ二つに割れてしまっていた。ルナはすっかり怯えてしまってキャリーバッグの中に入ってしまった。
るる「ルナ、大丈夫だからね。」
石碑が目の前で割れてしまったのに本当に大丈夫なのか…。心配になってきた。傘持ってないしどうやって帰ろう…。
??「まずいな…。」
うん、この状況はまずい。非常にまずい。とりあえずどこか雨宿りできるところ早く探さないと…。あ、また雷鳴ってる…。
??「…!君、危ない!!」
るる「え?」
雷の音が近くで聞こえてすぐのこと。男の人の方へ振り向くと、必死に腕を私の方に伸ばしているのが見える。私も腕を伸ばしてみるけど…何かおかしい。ふわふわ浮いてるような気がするし、男の人から遠ざかっていく気がする。…変なの。ルナは大丈夫かな。
っていうかこのふわふわするの気持ち悪い…。
死ぬってこういうことなの?
私の意識はここで途切れた。