第6章 関係
「え……ど…どうして…ですか…。」
「どうして…って……言われてもなぁ……コウちゃんがそういう人だから。」
「まぁ、気にしなくていいですよ。」
「…」
人が死んだのに…この人達も紘太さんと同じ……。何も動じない……。
「あ…あの……どうして…紘太さんは警察とかに捕まらないんですか…?人も殺して薬物も売ってるのに…。」
「ん~内緒!♡」
「え…。」
「フフッ…。」
「…」(お、教えてくれない…。)
*
しばらくして、インターホンが鳴った。
「おっ、菜月ちゃん、出てくれる?」
「あ…はい。」
立ち上がり、玄関のドアを開けると、紘太さんが立っていた。
「!…」
「…悪ぃ…。」
「っ…あ…い、いえ…こちらこそ…迷惑かけ……っ…!?」
腕を掴まれ、引き寄せられた後、優しく抱きしめられた。
「あらっ…。」
「!…コウちゃんが抱きしめてる…!」
「!…あ…の……。」(び…ビックリ…した…。)
「…世話になった…。」
「いいえ~。あ、そうだ届け物…!」
「いや……びっくりしたぁ…コウちゃんがこんなに溺愛してるとは……いや…まぁそっか…。」
「…」(だ、抱きしめられたまま話が進んでる…。)
「はい、これ。気をつけて帰ってくださいね。」
「ん。」
体を離され、今度は手を繋がれた。
「あ、お、お世話になりました…!」
「いいえ~。またいつでもおいでね?…って言っても、外に出してもらえることなんてないかな…?」