第6章 関係
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「菜月。」
「!…はい。」
「ちょっと出かけてくる…。シュウが来るから荷物受け取っといて。」
「あ…わ、わかりました…。」
お風呂を出た後、髪を乾かし終えた彼は一言そう言って家を出た。
「…」(周一郎さん……何の用…かな…。)
紘太さんが出て5分後にインターホンが鳴った。
「!…はーい…。」(周一郎さん…来た…!)
鍵を開け、ドアノブに手を掛けた時だった。
ガチャッ…
「!…」
勝手にドアが開いた。しかも前に立っていたのは周一郎さんではなく、女性だった。
「…!なっ…紘太はどこ?アンタ誰よ。」
「えっ…。」
その女性はツインテールで手首にリストカットの跡が残っていた。
「…」(なんて…言うんだっけ……量産型…?違う…地雷系…の人だ…。)
テレビで見たことがあった。地雷系の服に地雷系メイク……そして片手にはピンクのモンスター……。
「…」(初めて見た…。)
ジッと見つめてしまった。
「な、何見てんのよ!紘太は!?会いに来たんだけど!」
「っ…あ…い、今…出かけてて…。」
「はぁ!?彼女ほったらかして出かけるってどういうこと!?連絡もしてこないし!!LINE送ったのに既読すらつかないし!!」