第12章 【番外編】 東雲紘太という男
鉄パイプは、外出した時に少しずつ破片を集めて結合した物。
「がっ…はっ…!」
白目を向き、頭から血を流して倒れたあいつ。俺はなんとか体を起こして、地面に足をつけた。あいつの頭を踏みつけ、唾を吐いた。
「…行くぞ。」
「はい。」
「はーい。」
それから俺達は作戦通り、マッチに何本も火を点け、そこに置いて…施設を出た。
”お友達”なんざ、俺達にはいねぇ。
あいつの使っていた実験装置やらが爆発して、俺達が遠くに逃げ出した時には施設は全焼。警察や消防隊が駆け付ける大事件となっていた。その様子はテレビでも中継され、犯人は不明。未解決事件として今もなお捜査が進んでいた。