第10章 溺愛
「!…」
「それから、一之瀬優、柳周一郎の死刑もな。」
「っ…。」(嘘…。)
息が吸いづらい。上手く…吸えない……。
「嘘…ですよね……。」
「…君はアイツらとはもう会えない。関係を切るには良い機会だろう。あんな奴らと一緒にいても、この先まともな人間になるとは思えん。」
「っ…。」
「いいか、人を殺めるのは”異常なこと”だ。狂ったヤツらと一緒にいて頭がおかしくなっているのか知らんが、人を殺すのは、頭が異常な奴がやる行為だ。」
「……じゃあ、なんで今までコウちゃんをあなた方は捕まえなかったんですか。」
「…」
「どうして今になって、コウちゃん達を逮捕しに来たんですか。」
「…」
「っ…。」(コウちゃん……。)