第9章 あなたの為ならば…
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「あれ…?菜月ちゃん、インダスなんてあけてたっけ?」
「あっ…今日あけてもらったんです…。」
「へぇ…愛されてんねぇ。お金はとられた??」
「えっ…!?」
「ククッ…冗談!コウちゃんがとるわけないか。」
家にイチさんがやってきた。シュウさんは別の仕事があるらしく、コウちゃんはタバコを買いにコンビニへ。
「あの…ピアスとか刺青とかに…だいたいどれくらいお金とるんですか…?」
「ピアスあけんのに、だいたい1万かな。タトゥーとか刺青は…どうなんだろう、何入れるのかにもよるかも。」
「へぇ…。」(大変なんだ…。)
「でもまぁ、だいたいの奴が1年ともたずに消してくれー!って頼みに来るけどね。」
「!…そうなんですか…!?」
「そーよ?」
手に持っていた桃ジュースを一口のみ、また話してくれた。
「刺青とか入ってるとプールとか温泉とか拒否されることとかあるし、周りからダセェって言われてハブられたりとか??」
「へぇ…。」
「まぁ、それわかって入れてんじゃねぇのかよーって話なんだけどねー。」
「…イチさん入れてるんですか…?」
「んー?俺はタトゥーが入ってる。ここ。」
そう言い、服をめくると、おへその横に星と月が入っていた。
「凄い…。」
「昔っから星とか天体系が好きでさ。」