第2章 呪われた瞳
年明け4日前
くるみはママにくっ付いて離れない。トイレとお風呂以外はべったりだ。
「くるみ〜少し離れて〜」
『やだぁ、今のうちにママをいっぱい充電するの!』
充電……?どこで覚えたんだ…。でも可愛いからいいか、と思った。
五条悟には年が明けたら、くるみを連れて行くと言われた。服や物はなるべく早めにダンボールにつめよう…。
『ママ、私ね魔法使いなのかな?』
「…えっ?」
くるみは突然 真顔で変な事を言い出した。とても冗談で言ったとは思えなかった。
「なんで……?」
くるみは黙ってテーブルの上にある、お気に入りのクマの人形を指さした。そして、くるみが人形に向かって右、左と指を動かした。
ぽぅとくるみの目が月色から紅になる。
「あれっ?!人形が動いてる……!」
指を動かした方にクマの人形が歩き出したのだ。
……呪力
五条悟が言った、特別な力の事。そうか、くるみは本当に呪われたお姫様なんだな……。
『ね!すごいよね!私、いつのまに魔法が使えるようになったのかな〜』
振り返ったくるみの瞳は月色に戻っていた。呪力を使う時は紅くなるのかな…。
「くるみ、すごい!ママびっくりしちゃった」