第1章 秘密
温かい日常はきっと どこまでも続く。
そう願っていたのに…。
『あ、雪だ…』
とあるマンションの部屋の中で少女は呟いた。
今日は12月25日、クリスマスの日だった。
「くるみ〜?どうしたの?シチュー、冷めちゃうわよ〜」
彼女の母親は優しく微笑み、そう呼びかけた。
呼ばれた彼女は幸せそうに
『はーい!あのねママ、雪がいっぱい降っていたの!!』
と満面の笑みで言った。
「まぁ、それじゃぁ明日はパパと雪かきだね〜」
『えぇえ?ママも一緒だよ〜』
何気ない会話 だけど、くるみの瞳は幸せそうに揺れていた。
くるみの瞳は月色に輝きとても不思議で魅力的だった。
「クスッ、くるみの瞳は本当に正直ね」
『えーっ?!何で?!』
「秘密」
くるみは不満そうに頬を膨らませ『むー!』と拗ねていた。
その様子を母親は少し寂しそうに眺めていた。
彼女の瞳は家族とは違っていた。
突然変異、そう医者に言われたのだ。
しかし、夜になると淡く光るその瞳に何かあると思った母親は知り合いと医者を探し回り、六眼の瞳を持つ男、五条悟と出会った。