第50章 我儘※
キスされる……と思ったのに、ジンの唇が落ちてきたのは耳だった。何度か唇が触れて、ゆっくりと舌が耳の縁をなぞる。耳の奥まで舌が入り込んできて、頭の中で水音が響く。
何度かそれを繰り返して、今度は反対側の耳。まだ耳だけなのに息は少しずつ乱れていく。
やっと耳への愛撫が終わって、顔を上げたジンと目が合う。徐々に顔が近づいてきて、次は首に吸いつかれた。
『あ……ねえ、そこ見えちゃう』
「俺は困らねえ」
『私はよくないの……っ!』
「……髪、下ろしてりゃいいだろ」
そう言って何度も吸い付いて、いくつも痕を残していく。時々舌が這って、背筋にゾクゾクしたものが走る。
上に着ていた服を捲り上げられて一気に脱がされた。ジンの唇は鎖骨を通ってどんどん下へおりていく。
『うっ、ふ……っ!』
いきなり先端に吸いつかれて、咄嗟に口を抑えた。不満そうなジンと目が合ったけど、すぐに逸らされる。先端への刺激は次第に荒くなっていく気がした。歯が立てられたり、思いっきり吸われたり……それなのにもう片方の空いた先端には触れもしない。
気持ちいいのに、どこか焦らされているような……そんな感じ。
役目のない手は、脇腹を通ってズボンにかけられる。下にさげられるから少しだけ腰を浮かせた。
もう十分に濡れた入口に指が当てられて、数回擦ってからゆっくりと埋められていく。無意識にナカがキュウっと締まる。
入口近くの上の部分を攻め続けられれば、すぐに快感の波が押し寄せてくる。
『あっ、まって……イきそ……』
「イきたきゃイけ」
『っ、ああっ……!』
グッと押されて呆気なく達した……のだけど、いつもより波が弱いというか……。
「……後ろ向け」
『え……』
ピリッとゴムの袋を破く音が聞こえる。まだ1回しかイってないのにもう?……先程触られなかった胸の先端も、秘芽も触って欲しくて疼いてるのに……。
『……早いよ』
「もう解す必要ねえだろ」
『そうかもしれないけど……』
「なら早く後ろ向け」
いつもに比べて体力も十分にある身体を起こして四つん這いになる。ジンに腰を掴まれて、入口にソレが当てられる。なのに、入ってくる気配がない。
『ねえ、まだ……?』
「あ?」
『……挿れてよ』
「……」
『っ……!!』
返事の代わりにものすごい勢いで貫かれて、一瞬息が止まった。