第35章 溶けるくらい※
「見せねえくせに見てんじゃねえよ」
『……そんな顔するの今日だけかもしれないじゃん』
きっともう普段通りの表情なんだろうなぁ……。もっとしっかり見ておけばよかった。って、それより本心って……また口元がゆるゆるになってる気がする。
「何笑ってる」
『ん?ふふっ、ジンのこと好きだなぁって思って』
「……それでよく忘れるなんて言えたな」
『だってそうしないと自分がおかしくなりそうだったし』
「その努力が如何に無駄だったかわかったろ」
『うん』
「フッ……そろそろ触ってやらないと可哀想だな」
そう言うと胸の先端をキュッと摘まれた。急な刺激に身体が軽く跳ねる。
「触って欲しいって言ったもんな?」
『……ジンが触りたくなっただけでしょ』
「生意気なのは変わらねえな」
『んんっ……!』
先端を摘んだまま、グニグニと強めに弄られる。やっと与えられる刺激に身体の芯が痺れて、下が更に濡れていく。
『ん、あっ……まってっ……!』
反対側に唇が寄せられ、そのまま舌でつつかれた。周りをぐるっと舐めまわして、吸われる。腰がビクビク揺れた。
ペースが全く掴めない。散々焦らされたかと思えば、結構な勢いで胸を刺激されて……でも、胸以外にはまだ触れてくれない。
『胸、ばっか、やだっ……!』
「嫌じゃねえだろ」
『ひっ……うあっ!』
軽く歯が立てられて、反対側は引っ張られる。
身体の奥の熱が増し、溢れそうになる快感に思考がクリアになった。やばい、このままじゃ……!
『ねぇっ……!下……』
「……」
『んんっ……!』
一度口が離されて、次は反対側の胸を舐められた。それまで口でされてた方は指で弄られるけど、唾液で滑りが良くなってるぶん刺激が強すぎる。
必死でジンの両腕を掴んだけど、離したくても体勢的に力は入らないし、胸だけの刺激なのに異常なくらい快感が増して、それに耐えるように歯を食いしばった。そして……
『んんっ……!!』
快感が弾けて腰がビクンと跳ねた。自分に起きたことなのに受け入れられなくて顔を隠す。
「……まだ胸しか触ってねえだろ」
『うるさい……』
自分でも驚いてる。胸だけでイクなんて……恥ずかしすぎるし、せめて下も触ってくれていたら誤魔化せたかもしれないのに。
「初めてだよな?」
ジンの問いに顔を隠したまま小さく頷いた。