第2章 暖かさに包まれて 一期一振
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出陣していた一期たちが帰ってきた。
刀装の消失や怪我人は無く、一期も誉を取った。
調査は非常に順調だ。
「…報告は以上になります。」
「ありがとう。皆怪我がなくてよかった。
話は変わるけれど、一期」
一通りの報告を済ませたところで、私から話を切り出した。
「その…お返事についてなのですが…」
「はい」
言うべきことは決まっているはずなのに、いざ面と向かって話すとなるとこうも恥ずかしいものなのか。
「あの…私も…一期のことがずっと好き…でして……」
恥ずかしすぎて尻すぼみになってしまった。
一期の返事を待つ時間がいやに長く感じる。
一期は今どんな顔をしているんだろう。
恥ずかしすぎて顔を背けているとふわりと抱き締められた。
「主、こちらを向いてください」
「う…恥ずかしいのでもう少し待ってください」
なかなか顔を上げられないでいると顎に指がかけられ上を向かされた。
「これ以上焦らさないでいただきたいのですが…」
出陣前に返事しようとしたところそれを遮って出て行ってしまったのはどこの誰だったか。
目の前にある一番好きな人の顔が近づいてきて、次に何が起こるのか想像がついたので目を閉じると間もなく唇と唇が合わさった。
たった今恋仲になったばかりの人の体温を感じるのは恥ずかしいのに落ちつく。
正反対のような気持ちが同時に起こっているのはおかしなことだ。
お互いの温度を共有した唇が離れた後、一期は私を深く抱き寄せ肩に顎を置くような体勢になった。
「今後ともよろしくお願いしますね。」
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「しかし、貴方の返事をあの場ですぐ頂かなくてよかった。」
「え、どうしてですか?」
「あのまま行けば出陣そっちのけで貴方を押し倒してしまいかねなかったので…」
「な、なんてこと言うんですか!」
「貴方があまりに可愛らしいからですよ。」
再び赤くなる私と豪快に笑うあなた。
豊臣の刀の恐ろしきことよ…。