第1章 妄想1日目
面接会場
朝の電車での出来事が頭から離れず面接の緊張がどこかへ吹っ飛んでしまった。
(これが、おまじないの効果なのかな??)
なんて呑気なことを思いながら自分の出番を待つ。
今までで1番の成果を出せたと思えるほど上手く面接を終えることが出来た。
(それもあのイケメンのおかげだ!帰ったら祭壇でも作ろうかな…)
なんて変な方向に考えていたら
ドンッ
「す、すみません、前を見てなくて…」
「あ、君、今朝の」
朝のイケメンに会いました。
「まさかうちの会社に来てたなんてびっくりしたよ」
「わ、私もです」
朝のイケメンもとい、佐藤さんはこの会社の営業担当らしい。
「どう?面接は上手くいったかな?」
いたずらっぽく笑う姿もかっこよくてまた胸が高なった。
「今までで1番上手く出来ました!」
「ほんとに?じゃあ、これからは後輩かもしれないんだね」
(あぁ、佐藤さんの後輩とか毎日残業してでも尽くしたい!)
「楽しみにしてるね」
みたいな展開を期待して朝早くに向かった電車はガラガラで
誰ともぶつかることなく帰宅した。
面接は合格しました。