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3ヶ月の恋人(鬼滅の刃 煉獄杏寿郎)

第8章 愛しい人の記憶


煉獄さんの唇が私に触れた。
私には、それがほんの1秒位に感じた。
泣いていた私は、気が付いた時にはもう、煉獄さんは私から離れているくらいに短いキスだった。
学校の中だし、そんなに長い口付けなんて、教師の煉獄さんに出来るはずはなかった。
でも、煉獄さんの形の良い唇が、一瞬、私の唇を挟むように触れた時に感じた甘い感覚に、蕩けそうになった。


「ごめん、君にキスしたくなった。」

煉獄さんが少し照れたように言った。

私は、優しい植物の香りの中で、煉獄さんに告白してもらえた事が嬉しくて、夢心地になっていた。
なので、夢じゃないか確認したくなってしまって、自分のほっぺをぎゅっと、つねってみた。

「…痛っ!」

力を入れ過ぎてしまって声が出た。
煉獄さんは私を見つめて笑い出した。

「どうした?確認してるのか…小野さんは本当に可愛い。」

優しく笑いながら、私を見つめる。
煉獄さんの金色と赤い瞳が綺麗で、煉獄さんの瞳から目が離せなくなってしまいそうだった。

煉獄さんは真面目な顔になって私を見つめる。

「小野さん、これからは恋人として逢おう」

私を真っ直ぐに見て言う。

「はい…。」

胸がドキドキした。
そして、夢心地のまま、煉獄さんに尋ねる。

「私と煉獄さんが交際するって事ですか?」

煉獄さんは微笑んで言った。

「そうだ。今日が交際1日目だ!」

明るく言う煉獄さんに、私もだんだん実感が湧いてきた。
…煉獄さんが私の恋人になる…。

そう思った瞬間に、お腹が熱くなった。


「ああ!そろそろ戻らないと。また失神する人が出て伊黒が喜んでしまう。」

煉獄さんはベンチから立ち上がった。

「小野さんは、これからどうする?」

聞かれて私もベンチから立ち上がった。

「冨岡先生の写経体験と、善逸君の石膏オブジェを見に行きたかったんですけど…。写経は出来そうにないです…。」

気持ちが舞いあがってて…写経には最も向かない状態だと思う…。

「少し気分を落ち着けてから帰ります」



煉獄さんは私に一歩近づいて言った。

「今夜、一緒にいたいが、学祭の後片付けがあるんだ。
帰りが遅くなりそうだから、夜に電話する。」

そう言うと私の頭をぽん、とした。

煉獄さんは笑顔で、目が合うとドキドキしてしまう。















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