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紅玉の瞳

第4章 恐るもの


すると男が叫ぶ

「君は夫が亡くなったのにそうやって男を惑わすんだな!悪い女だ!阿婆擦れめ!」

不死川は男を強く睨む

「こいつがどんだけ悲しんでたかなんててめぇは知らねぇだろうがぁ!勝手なこと言ってんじゃねぇ!!」

その迫力に男は体が震える

「てめぇみてぇな汚ねぇ野郎になにがわかる!!」
「不死川さんっ!もう...大丈夫だからっ、」

ポロポロと泣くほのかは不死川にしがみつく

その騒ぎに駆けつけた警察がやってきた

「こんなところで何してるんだ!」
「あぁ丁度いい。こいつ、強姦だぁ」
「なに!?」

不死川の言葉とほのかの身なりを見てすぐに警察も理解したように男を連行していった

「ほのか、大丈夫か?」

乱れたほのかを羽織で優しく包む

「ありがとうございます...」
「礼はこいつに言いなぁ」

不死川の腕に乗る鴉は胸を張っている

「ありがとね」

満足したのか鴉は再び空に飛んでいった

「あいつが知らせてくれなかったら、今頃おめぇあの男に何されてたかわかんねぇぞ」

それを言われてゾッとする

青くなるほのかを見て不死川が焦る

「あ、でもよかったな!俺がたまたま近くの任務だったからすぐに駆けつけれたしよぉ」
「はい...」

背中を向けて身なりを整えるほのかは体が震える

「家まで送ってやるからよ」

こくんと頷くほのか

彼女を抱き寄せたい気持ちの不死川はぐっと堪える
ここで何も気にせずに抱きしめられたら...
しかし、彼女にチラつく煉獄杏寿郎という男
ほのかが煉獄杏寿郎から解放されない限り不死川はほのかに強く触れることができないでいた


静かに帰路に着く二人
空はすっかり陽が登り明るくなる

屋敷に着くとほのかは頭を深く下げた

「もう気にするな」
「そんな...不死川さんが来てなかったら...わたし、」
「今日はゆっくりしとけよ」
「はい」

そう言って屋敷に入って行く

不死川は自宅へと帰る為足を進めた


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