第3章 無限
不安な気持ちを残したままほのかは家路に着く
家事をしていてもどこか落ち着かない
列車に乗り込む姿がどうしても忘れられなかった
洗濯物を握りしめお祈りをした
ーーー
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鎹鴉から知らせが来る
聞き間違いかと思った
杏寿郎が死んだ
思考が追いつかない
「きょ、杏寿郎が...?」
死んだ?
この鴉は嘘をついてるのか
いや、そんなことはありえない
じゃぁ、なにかの間違いなんじゃないのか
ほのかは必死に頭を回転させる
目が回りそうだ
吐き気さえする
「おい!おい!しっかりしろ!ほのか!」
誰かの声が聞こえてきた
「し、しなず、がわ..さん?」
不死川が汗を流してほのかの肩を掴む
「大丈夫かぁ!?」
不死川は杏寿郎の訃報を聞いて一目散にほのかの元に駆けつけた
目を開き視線が合わないほのか
動揺しているようだ
「ねぇ?なにかの間違いですよね?」
「... ...間違いじゃねぇ」
不死川は真っ直ぐにほのかに伝える
「でも、昨日笑顔で...帰ってくるって、」
次第に涙で目の前が霞んでくる
溢れ出る涙は頬をつたう
突きつけられた現実
幸せだった日々がガタガタと崩れていく音がした