第24章 ぶつけあい
【心操人使side】
茂みから明かりの方へ近づくと、そこには幻想がいた。
「…見つけた」
その瞬間、心臓がドクンドクンと大きな音を立てるのを感じた。
しかし喜びを感じるよりも先に、幻想の状況が目に映る。
目隠しをされ、手を木に縛りつけられていた。
上半身の服ははだけて胸が露わになっている。
そのすぐ近くにはあの男がいた。
それを見て全身の血が沸騰していく気がした
あいつ、幻想に何してんだ。
怒りで震える手で相澤先生に連絡しようとすると、話し声が聞こえてくる。
「ねえ…なんで言う事聞いてくれないの?」
そう言ってそいつは幻想の頬を撫でた。
「僕は君の事こんなに好きなのに…」
幻想はそれを聞いても何も言わない。
それを見てそいつは不満そうに声を上げた。
「あいつのこと、そんなに好きなわけ?!」
興奮しているそいつは声を荒げて幻想に聞く
しかし、幻想は何も話さなかった。
そんな幻想を見てそいつは苛立っているようだった。
「なんとか言えってッ!!」
そう言ってそいつは幻想の顔を平手打ちした。
叩く音が静かな森に響く。
それを見て俺は居てもたってもいられず茂みから飛び出してしまう。
「やめろ!!!」
そう言って飛び出すとそいつは驚いていた。