第22章 歪んだ愛情
「あー…そんなのあったよね!でもそんなの僕には関係ないんだよ、僕の個性は“あらゆる信号をを解除する”だからね!」
信号を解除…だから寮に入ってこれたんだ…
「目的はなんなの、何がしたいの?ここはどこ?…これを外してよ」
私がそう言うとそいつは大きなため息をついた
「僕質問攻めって嫌いなんだよね、それに言ったよね“僕を怒らせた君が悪いんだ”って」
その言葉と共に私の首筋に冷たいものが当てられた。
細くて、硬い…
私はすぐにそれが刃物だと理解した。
こいつ私を殺す気なの?
そう考え鳥肌が立っていく
「私…なにもしてない…」
「何も…?何言ってるのさ、君は僕という人がいるのに、あいつと仲良くしたじゃないか」
そう言いながら私の顎を強く掴んだ。
「僕しばらく見守るだけにしようって思ってたのに、君があんなやつと仲良くするから…」
心操…心操のことを言ってるのか
どうしよう、何もできない。
目を隠されては個性も使えない。
どうしたらいいの?
怖い、怖いよ…
色んな事を考えて涙が溢れてきた。
「お願い…離してよ」
私がそう言うとそいつは先程の態度とは一変優しい口調に変わった。
「やだなあ、僕は君の事殺そうなんて考えてないよ」
そう言って私の唇に触れた。
その言葉に身体が強張っていく。
「僕は君と楽しいことしたいだけ」
そいつは私の耳元でそう囁いた。