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嘘つきのヒーロー

第13章 知ってしまう


【心操人使side】

土曜日、俺は外出届を出して買い物に来ていた。


「思ったより時間かかったな」


空が暗くなり始めていたので、俺は帰り道を急いでいた。

やばいな、早く帰らないと。
その時、ふとあることを思い出した。



あいつ…土曜日は用事があるって言ってた。
何してるんだろう。


俺は昨日幻想と麗日たちが話しているのを耳に挟んでいた

そんなことを考えていると、遠くに見慣れた姿を見つける。





「幻想…」


そう確信し、身体は勝手に走り出す
しかし途中で足が止まった。


まて、走って行ったら俺が会いたがってたみたいじゃないか。


そう思い気づかれないように速足で幻想に近づく。
すると途中で幻想の様子がおかしい事に気付く。


「なんで、あいつ全然進まないんだ?」


俺が追いかけてから、幻想の位置は変わってない。

もうすぐ帰寮時間なのに



疑問を抱きながらも幻想に近づき声をかけた。



「…幻想、なにしてんだよ」

そう話しかけても幻想は反応しない。


しっかり聞こえる距離なのにな
そう思いながら幻想の肩を軽く叩いた。


「おい、幻想、なにしてんだよ」


そう言って幻想に触れると同時に幻想の身体はビクンと大きく震えた。

「え…」


普通の反応ではないそれに驚いてしまう。

振り返った幻想は震えながら泣いていた。



「…心操…?心操!!…よかった…」

幻想は俺の顔を見るなりほっとした顔をして、俺の腕を掴んだ。


「なッ…どうした幻想?」

俺がそう言うと幻想は俺の背後を視線で確認して


「……私が今から何を言っても、後ろ急に振り返らないで欲しいんだけど…」

そう言った。

幻想の怯えた顔に俺は嫌な予感がした。

幻想の問いかけに頷くと幻想は俯いて静かに話す。



「誰かに…つけられてる。男の人、顔は分からないけど…さっきから一定の距離で追いかけてくるの…」



それを聞いて鳥肌が立った。







ストーカーか
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