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ぬらりひょんの孫〜鯉伴、もう一人の子供〜

第10章 奥州遠野一家




『誰かが使ってるとか⋯?』

「大昔に大名屋敷から拝借した立派なもんじゃったんじゃがな〜⋯」

『うーん、私もまた探しておくわ。見つかったらすぐ言うね。』

「すまんな」

おじいちゃんはそう言うと再びキセルを探しに行った


大昔に大名屋敷から拝借⋯いや、それパチったって言わん?と思ったが流石に口には出せなかった








それから、次の日の事だった

『んー⋯もう夕方か⋯』

私はぐーっと伸びをする

あ、そうだおじいちゃんのキセル仏壇にあったよって言いに行かないと

今朝たまたま仏壇を見た時、そこに桜の模様が描かれたキセルを見つけた

それをおじいちゃんに知らせるのをすっかり忘れていた

部屋を出て、おじいちゃんを探す

『おじいちゃ⋯』

ちょうど仏壇のある部屋に居たおじいちゃん

話しかけようと思ったがどうやら、リクオがいるらしい

「じいちゃん⋯ボク、京都に行こうと思う」

!最近悩んでたのはその事だったのね⋯

「あの陰陽師の娘(こ)⋯知ってるだろ?
なんか⋯京都で悪いことがおきてるらしいんだ。

それも、妖怪がらみで。ボクが行って⋯助けてあげたいんだ!!」

リクオはそう言いきった

だが⋯

「死にてぇのか、お前」

おじいちゃんのドスの効いた声

「え!?」

リクオが少し驚く

「チッ⋯ビビリおって」

おじいちゃんはリクオとの距離を詰め、リクオを蹴った

その勢いでリクオは庭の池に落ちる

『おじいちゃん?!』

「チッ⋯バカめが。こんなジジイの蹴りがかわせんのかい。
そこで頭を冷やせリクオ、今のお前じゃあ京へは死ににゆくようなものじゃあ⋯⋯

四国を倒して天狗か?てめぇの力じゃ⋯下っ端にもやられるぞ」

おじいちゃんがそう言った

ザパァッ⋯

池からリクオが上がってくる

その姿は夜の姿に変わっていた

いつの間にか、日は落ちていたらしい

「何をしやがる⋯くそじじい。
やってみねぇと、わかんねぇだろーが。」

「⋯ためしてみるか?」

おじいちゃんは懐から刀を取り出す

え⋯本気でやる気じゃない⋯

「ためしてみるか⋯だと?
じじい、本気か⋯」

「リクオ、どーしても京都に行きたいと言うんならてめぇの刀を抜いてみろ」






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