第9章 陰陽師の女の子
良太猫、天才なのでは?
いい妖だし、化け猫屋の店主だし…親切だし…
ボーナスあげたいぐらいだわ
それから少しして注文していた料理がきた
だし巻き玉子と枝豆だ
まあ、定番よね
でも、化け猫屋のだし巻き玉子はひと味違う
何せ出汁が美味しい
大根おろしももちろん横に添えられてるんだけど、最後に別添えの出汁が付いてて最後にそれと大根おろしを少しと醤油を少し混ぜて飲むのが最高なのよね…
『ん〜…!!美味しい!!』
お酒もすすむ
私は追加でカシスオレンジを頼む
梅酒とカシオレは何杯でも飲めるわ…
それから暫くお酒を楽しんだ
何杯飲んだかは覚えていない
私はお会計をお願いした
良太猫が走ってきた
『え、お会計無し…?』
「サクラ様にはいつも世話になってるんで!
それに、前の四国の時も助けていただきましたし…」
玉章達が侵攻してきた時、狒々と同じく化け猫屋の店員の一人が襲われ、一時危篤となった
その時に私が治癒したことを言ってるらしい
『気にしなくていいのに……ありがとう、なら甘えさせてもらうわ』
「またいつでもお越しください!
お待ちしてます!」
私は化け猫屋の店員達に見送られ、本家に帰った
本家に帰るとリクオが黒羽丸に説教されていた
『黒羽丸、どうかしたの?』
「サクラ様、おかえりなさいませ。
リクオ様が祢々切丸を置行堀に差し出したんです。」
置行堀、何かを渡さないと何をされるか分からない妖怪
『……は?いや、祢々切丸を?』
「はい」
『リクオ?』
「なんだよ」
『その刀…どれだけ大事なものかわかってる…?』
「わーってるよ…」
『…黒羽丸、祢々切丸は取り戻したのよね?』
「はい」
『…こっってりカラス天狗にも絞ってもらいな、リクオ』
後ろからカラス天狗の怒りの圧が凄かったので私は部屋に戻ることにした
それからカラス天狗のお説教の声が屋敷中に響いたのは別の話…
『あ、おじいちゃん』
部屋に戻る途中、おじいちゃんに出会った
「おう、サクラか。ワシのキセルしらんか?」
『キセル?見てないわね…』
「むぅ…なかなか見つからんくてのぅ」