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ぬらりひょんの孫〜鯉伴、もう一人の子供〜

第7章 四国八十八鬼夜行




それからしばらく距離を開けて睨み合いが続いた

緊張感が漂う中、どちらが先に動き始めるのか…

「どちらが先に動くか…」

カラス天狗がそう言った時だった

ザッ

足音がした

横を見るとリクオがゆっくりと歩き始めていた

「若!?
何をしてる!!リクオ様を止めろ!!」

カラス天狗が慌てて止めようとする

だが、止めることは叶わず開戦の合図となった

真っ先にリクオを狙いに来る四国八十八鬼夜行の雑魚たち

奴良組も負けじと戦闘を開始した

「側近はリクオ様とサクラ様を守れ!!
四国の奴らに手出しさせるなー!!」

カラス天狗の声が戦場に響く

『だってさ、リクオ』

「ま、ここの奴ら何人にオレらの事が見えてるか…だな」

『そうね』

私達は明鏡止水を使いながら堂々と真ん中を歩き、玉章に向かって行く

玉章にかなり近付いた時だった

「お前たち!!何してる、周りをよく見ろ!!
なぜ誰も気付かぬ、リクオはそこにいるぞ!!」

玉章が一歩下がる

それと同時にリクオは玉章との距離を詰めた

「よう」

リクオは玉章に斬りかかった

玉章はギリギリのところで自身の刀で止めたようだ

刀が混じり合う音に周りの妖が混乱する

「え?」

「成程…これが"ぬらりひょんの力"…か」

「明鏡止水・桜」

これもぬらりひょんの畏の一つ

盃に入った酒が青く燃え上がる

その炎は柱となり周りの妖達にリクオの居場所を知らせるようなものだ

妖達が気付く

大将同士が対峙していることに

だが、誰も近付けない

炎は玉章へと向かう

玉章は隣にいた鳥の妖を盾とした

「玉章様…!?
ギャアアアアアアアア」

鳥の妖は焼けていく

「……オイオイ…部下を身がわりにして逃げるのか。
どうも…いつまでたっても小物にしか見えねぇ奴だ。

このまま消してしまって、構わねぇ気がしてきたぜ」

その時だった

『リクオっ!!』

ダメだ、遅かった

夜雀がリクオの横に現れた

私が声をかけるのと同時に夜雀はリクオに触れる

「そうだ…この玉章の部下となるものは…玉章のために犠牲となり、玉章に…つくすのだ。

見せてやれ、夜雀」

夜雀が羽根を広げ、羽根が舞う

夜雀はチラリと私を見た






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