第7章 四国八十八鬼夜行
そして次の日…
リクオや幹部達それぞれに護衛がついていた
私はと言うとカラス天狗に護衛はいらないって言ったから護衛はつかなかった
氷麗には怒られたけどね
『ふあぁ…』
眠たい…
陽の光が障子から差してきていた
『んー…さて、と』
ゆっくりだが朝の支度をしていく
「おはようございます、サクラ様」
『おはよ』
すれ違う妖達に挨拶を返していく
「おはよう、姉さん。」
『おはよ、リクオ』
「まだ眠そうだね」
『んー、朝苦手なのよ』
「そっか。ボクはもう学校行くね」
『気をつけて行ってらっしゃい』
学校に行くというリクオと氷麗達を見送る
私も支度を済ませ、人間の姿に変化し洋服に着替えた
『いってきまーす』
今日は買い物に行く日だ
一人暮らしをしていた間に働いて貯めた貯金と、御門院家にいた時の任務報酬等を使って買い物を楽しむ日を作っていた
買う物を考えながらショッピングモールに向かって歩いていた時だった
高校生だろうか制服を着た男の子が立っていた
「君が、奴良サクラさん?」
『…そうですけど、何か?』
「君が一番手強そうだ。どうだい?ボクらの…四国八十八鬼夜行の幹部にでもならないかい?」
そう言って手を差し出してくる男
『はい?何言って…』
「ボクらはこの地を奪う。そうなった時に居場所がないと困るだろう?
今なら君の事を幹部にすることも出来る。どうだい?」
『嫌よ。それに、誰がこの地を奪うって?奪わせるわけないでしょ。』
私がそう言うと男がニヤリと笑った
「へえ、随分強気なんだな。まあいい、その言葉後悔しない日が来るといいね」
『あら、後悔する日なんて来ないわよ』
気付けば男は消えていた
なんだったんだアイツ
そんなことを思いながら私はショッピングを楽しみ、屋敷に帰ってきた
『ただいまー…って、うわっ』
目の前にカラス天狗が物凄い勢いで飛んできた
思わず避けるとカラス天狗は壁にぶつかっていた
「うぅ…総大将ぉ〜…」
『何、またおじいちゃんどっか行ったの?』
「!サクラ様!!総大将を見ませんでしたか!!」
『見てないわよ』
「総大将…いずこへ…」
カラス天狗は泣きながら飛んでいってしまった
『…心配しなくても大丈夫だと思うけど…』