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ぬらりひょんの孫〜鯉伴、もう一人の子供〜

第5章 奴良組




一人暮らしを開始して何年か経っていた

私が生まれた時代は確か江戸…今は平成なんだけど…便利ねえ…

携帯とか、なんかもう色々便利すぎてびっくりしてたけど…

やっと慣れることが出来たし、なんなら余裕も出てきた

最初の頃は何度も水蛭子を呼び出しては連れ回して怒られたっけ…

『さて…』

今日は奴良組へ戻る予定の日だ

すんなりいけばいいんだけど…

まあ、無理よね

そんなことを思いながら洋服に着替える

『うん、変化も完璧』

この数年で私は妖の姿と人間の姿の変化を自由自在にこなせるようになった

前まではずっと人間の姿でいたんだけど、畏も陰陽術も妖の姿の方が使いやすいことに気付いた

だから、自由自在に変化できるように特訓をしていた

荷物をまとめ、部屋を出る

この部屋はまだ私の部屋のまま置いておいてくれるらしい

ありがたい話だ

私は最低限の荷物を持って奴良組のある浮世絵町へと向かった







『…ここ、どこ?』

まあ、私極度の方向音痴なんですけどね

いやー、さすがに路地裏に迷い込むとは…

妖の為の道を進めば辿り着くと思ったのに…てか、そのために妖の姿でいるのに…

周りを見渡してもお店というお店はない

『…どうしよ』

そう思っていた時だった

「…おい」

後ろから急に話しかけられた

『!はい?!』

振り向くとそこには化け猫がいた

化け猫と言っても人に近い姿の化け猫だ

「あんた、こんな所で何してんだい?」

『あ、えっとですね…道に迷いまして…』

「何だ、迷子か。どこに行こうとしてんだ?」

この化け猫…親切…っ!

『浮世絵町にあるお屋敷なんですけど…』

「…あんた妖か?ってことは…奴良組のほうかい?」

わあ、察しが良くて助かりますぅ…なんて言える訳もなく

『そうなんです!よく分かりましたね?!』

「まあ、この辺で浮世絵町に来る妖は大抵奴良組に行くからな」

『なるほど…』

「お前さんも、傘下に入りに来たんだろ?案内してやるよ」

…この化け猫…めっちゃ親切…!!!(二度目の感動)

『ありがとうございます!』

私は化け猫に奴良家までの案内をお願いすることにした



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