第12章 土蜘蛛
「でも浮かれるのは、まだ早いで。
初めまして、君が…彼(ぬらりひょん)の孫やね?」
そう言って突然現れたのは陰陽師だった
そこには前に戦った花開院の陰陽師達もいた
「お…おいリクオォ、ありゃー誰だい?」
と淡島
「……陰陽師だ」
「なにィ!?おんみょーじィ!?」
「久し振りだな妖怪のガキ」
竜二だったかしら
リクオを睨みながら私も睨んできていた
「見れば見る程そっくりや、おじいちゃんはまだ健在?」
「……何の用だ」
リクオが問いかけた時だった
魔魅流と呼ばれていた陰陽師が杭を投げる
どうやら後ろに妖がいたらしい
淡島が倒した妖かな
「ガグェェ…」
「外殻の地脈に巣喰う妖よ、再び京より妖を排除する封印のいしずえとなれ」
竜二がそう唱えた
それと同時に彼の頭上に現れる大きな杭
『あれが、花開院の封印ね…((ボソッ』
「ハッ…羽衣狐様ァァァー」
「滅」
竜二がそう言うと杭が妖に刺さる
すると空が晴れ始めた
「これが封印ってやつか…?」
「そうや、"八つ全部"を封じるまでは京は平和にはならない。
はじめまして、ぬらりひょんの孫。
蘆屋家直系京守護陰陽師、花開院家十三代目…当主秀元や。よろしく。」
十三代目…?もう死んでるはずよね?
ってことは…破軍の中の…?
「秀…元…?」
おじいちゃんはこれを見越してたってことかしら
少し考えている時だった
「ひでもと〜!!何やねん、急に飛びおりてー!!
この牛車の式神どうしたらええんやー!!」
声のした方を見るとゆらと氷麗がいた
空飛ぶ牛車だ
あれ確か消えろって言ったら消えるのよね
「ゆらちゃんも下りてきたらええやんか。
消えろっつってな」
秀元ってマイペースなタイプなのね
「あんたなー!!式神のくせに自由すぎるわ!!」
『フッ…』
間違いない、思わず笑ってしまった
「……ゆら?」
「ゲ…奴良くん…それにサクラ?」
「ああ!リクオ様!!サクラ様!!お久しゅうございます〜!!」
氷麗はいつ見ても可愛いなぁ
一人癒されていた
「つらら!」
上空で突然ゆらと氷麗が喧嘩を始めた
「消えろ!!滅したる!!」
『「あ、消えろって言った」』
思わず秀元とハモってしまった