第10章 奥州遠野一家
スっとリクオの首に鎌がかけられる
ちょいちょいと鎌を動かす
「つねに畏を解くなっていってんだろ」
リクオの後ろにはイタクがいた
「イタク…」
「これでおめーはもう遠野で二百回は死んでるぞ。
危なっかしーんだよおめーはよ。てめーの教育係はまだ終わってねぇ!!
ただし…てめーと盃は交わさねーからな!!」
「……ありがとよ…」
リクオは礼を言うと腰に差していた棒を構える
「おい、その刀…祢々切丸は使わねーのかい。」
イタクが尋ねた
「こいつは…もっとでっけぇ妖を斬る刀だ。ここの里の畏なんて…この相棒で十分だ。
いくぜ、さよならだ遠野!!」
リクオが畏を発動しながら棒を振った
「いやっほう!京都京都楽しみ〜」
と雨造
「え!!まさか雨造外は初めて!?」
と冷麗
「あったりめ〜よ!!どんな世界か楽しみだぜ〜」
畏が破られた場所を通り、里を抜ける
里を抜けると直ぐに森だった
そして今は日が登りきっている…
「わっ…」
リクオが昼の姿になる
『戻っちゃったか』
「ハハ…そうみた…イタク?」
リクオの声と同時にイタクの方に全員が一斉に向いた
「「!?」」
『イタク…小さく…』
「イタチだからな」
「「ええ〜!?」」
全員が驚く
にしても、可愛い…イタチ姿のイタク…ぬいぐるみにしたい…
今度心結心結に頼もう…
そうこっそり決心した
それから、本家に向かって走る
リクオが電車を使う事を提案したが、まあ反対された
朝から走って、途中休憩を挟んだりもしたけど…なんとか着きそうだ
『お、見えてきたね』
本家の灯りが見え始める
「おう」
リクオも夜の姿になっていた
リクオが屋敷の扉を乱暴に開ける
「!?なんじゃ〜、敵襲かぁー!?」
「あれ!?」
「ありゃ…リクオ様にサクラ様!?」
「何!?ホントだ…リクオ様が…帰ってきたぁ!!」
「へ〜ここが奴良組かい」
と淡島
「やっとついたかよ」
と土彦
「ケホっケホっ」
と紫
「走るから汗かいてとける〜」
と冷麗
「ふん、広いじゃないか」
とイタク
それぞれが感想を述べていた
「とにかく、奴良家到着だぜ!!」
淡島がそう言った