第16章 ★ Sweet Memories
腰にぞくぞくとした疼きが走る。これまで何度も抱かれて、イイ場所や、快感を教え込まれてきたこのカラダは、彼に"イかせてあげる"と言われただけで、とろとろに濡れそぼってしまう淫らな体だ。
彼の太い指が蜜壺の奥に向かってピストン運動を始めると、あっという間にそこは蜜液で潤って、ちゅぷっ、ぐちゅっといやらしい音を立て始めた。
「当主ダメ、声が出ちゃう。隣の和室に聞こえちゃう」
「聞かせてやれば? 君の可愛い声。恵と仲良しみたいだし」
「バカ言わないで」
「恵に聞かれると思うと興奮する?」
首を大きく横に振るけど、ふって彼は笑ったまま、奥まで入り込んでる指の関節をくいっとお腹側に曲げた。ザラザラした膣壁を優しく撫でられる。
「あッ!当主、そこは……ダメ」
その時だ。再びコンコンとノック音が鳴った。
「夕凪さん、かなり進んだんですけど、どこまでやっときゃいいですか?」
今、こんな密着状態を見られるわけにはいかない。指が動く度に、はしたない声が喉の奥から漏れ出そうになるのを必死でこらえる。
「あっ、のっ……恵くん、もう続きはいいから。ごめんありがと」
こんな状況でも、指はまだ抜いてくれない。それどころか、イイところを指でトントンされて、昇りつめそうになる。
んんんー!
万が一部屋に入ってきたらどうするの?
悟くんの腕をきゅっと掴んで、肩に顔をうずくめて、変な声が出そうになるのを必死でこらえる。それでも指の動きをやめてくれなくて、立ってられなくなりそうで、思わず声をあげた。
「当主!」
あたしは恵くんが入ってこないかと焦ってるのに、悟くんは余裕だ。むしろ楽しんでいるかのように、耳元に顔を寄せてきた。
「2人っきりの時は名前で呼んでよ。投手とか捕手とか野球みたいで萎えるじゃん」
色気たっぷりの低音ボイスが左耳の奥まで流れこむ。あたしの耳たぶに彼の唇が触れるとゾクゾクっとして、甘い吐息を、ハァっ、と天井に向かって吐いた。
「ねぇ、名前、呼んで」
首筋をなぞるように舐め上げられる。そのままフェイスラインにそって舌を這わされ、ちゅうと吸われて数ヵ所、痕を残された。指のピストン運動も欠かさない。ぐちゅっぐちゅっとショーツの中からは卑猥な音が続いている。