第16章 ★ Sweet Memories
「僕の妻だってこと今から確認しようか」
「え、やッ、待って。ん、んんっ……」
顎をくいっと持ち上げられて、ぴったり唇が重ねられた。柔らかいと思ったのはほんの一瞬で、まるで道具みたいに唇で唇をこじ開けられる。
わずかな隙間から舌がぬるりと入り込み、探り当てられたあたしの小さな舌は、舌先で抗戦を試みたけどあっという間に長い舌に絡めとられ、ちゅぅと吸われる。
「ほら、僕の舌も吸って」
言われるがままに、彼の舌に吸い付くと、後頭部を固定された。口の中でねちねちと舌が絡み始める。浅く、深く、何度も何度も舌の出し入れをした後、舌の裏を舐められる。
「はぁ……ぁ……」
それだけで体の力が抜けそうになった。
休憩すんなよー――まるでそう言われてるみたいだ。彼が舌先であたしの唇をつついて、あたしは再び舌を出す。彼の口内に舌を入れ、口蓋を舌先で優しくなぞった。
「ん、上手」
悟くんの好みはきっちり教え込まれている。食べるみたいなキスをくちゅくちゅ繰り返すと、口の端から、どちらのものともわからない唾液がツーっと一糸、垂れ流れた。
お腹の奥がじんわり疼いて、溶かされた蜜液がとろりと蜜口へと降りていく。あたしがキスだけでこうなってしまう事を悟くんは十分に承知だ。
「気持ちいい? 僕とのキス」
聞かなくてもわかってるだろうに確かめてくる。あたしがこくりと頷くと、満足げに口角を上げた。
ショーツの穿き口からすっと指が入り込み、茂みを撫でて、そのまままっすぐ蜜口へと向かう。
――だめ、そこ触れちゃ!
手を制して止めようと思ったけどもう遅い。
「濡れてるね」
そう言うと、彼は中指の腹でタップするように、ピチュピチュと数回、蜜穴を弾き、ちゅくりと指をナカに差し込んできた。
「んあ……っ…あッ!」