第15章 エピローグ
ピコン
サイドテーブルに置かれた夕凪のスマホの通知が鳴った。仄暗い部屋にメッセージが光って目に入る。こんな遅い時間に誰だよ、って少し気になる。
スマホをのぞきこんだ。なになに?
「尊、この間は、家まで来てくれてありがとう。もう一度言う。空くんが五条さんに似てないのは尊のせいじゃない。俺のせいだから。五条さんには僕から話す」
ん? なんなのこれ。どういう意味?
空のこと? 確かに宝と桜は僕にそっくりだけど、空は夕凪似だ。上2人とは少し見た目が違う。まだ3歳だから無下限の術式も相伝しているかわからない。
メッセージを送ってきた奴は誰だ? 夕凪のスマホのパスワードは僕たちの結婚記念日。数字を入れると解除された。
こんなの僕が気にすることじゃない、夕凪は僕が大好きじゃんって思いつつも指は動く。
送信してきたやつは、見たことある名前だ。誰だっけな……思い出した。
コイツ、中学の卒業プロジェクトで夕凪と一緒に写真に写ってた男だ。夕凪の事好きだったよな!
あ゛? 今も繋がってたのか?
空が似てないのは俺のせいって何?
まさか……まさか
――夕凪は僕に内緒で浮気してる!?
完