第15章 エピローグ
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夕凪は僕が、補助監督の元教え子と浮気してると勘違いしてたらしい。言動や態度がよそよそしいと思ってたけど、そういうことね。
夜は全然、抱かせてくれないどころか近付くだけで、来ないでって牙剥くし、おかしいとは思ってたけど。
もともと夕凪は鈍いのに、変なところで、妙な勘を働かせんだよね。けど、それだけ浮気を心配してたってことは僕のことが好きってことだよなー。くくって笑いがこぼれる。
僕が呪術界で好き放題してられんのも、五条家でワンマンやれるのも、夕凪がうまく立ち回って僕をサポートしてくれての事だって、ちゃんとわかってる。恵のことや家族の事も面倒見てくれて感謝してる。
もし浮気して、夕凪怒らせたりなんかしたら、使用人は全部夕凪の味方だろうし、僕は間違いなく五条の屋敷には住めないね。母親は、僕に毒でも煎じて飲ますんじゃない? 一生勃たなくしてやるとか言って。
おー怖っ。
何よりさ、夕凪のこと、こんなに愛してんだから、浮気なんかするわけないでしょ。
彼女は安心したのか、ベッドの上で甘えてきて、久しぶりに交わったその行為は激しかった。
何回も僕の名前を呼んで、好きって言って求めてきて、とろとろに蕩けた顔を見せる。そんなところがまた可愛いんだよね。
「不安だったの」とかなんとか言って涙目になって擦り寄ってくんのがたまんなくて、何度も抱いた。
今は果てて横でぐったりだ。すぅすぅ寝息立てて眠ってる。その柔らかな栗色の髪を撫でてやる。