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【呪術廻戦】-5歳で五条家に来ました-

第14章 過去


「ついでに報告ー。もう知ってるとは思うけど長男の宝。僕の跡取りだから可愛がってやって」

 悟くんがお披露目すると、広間にいる使用人たちが、宝を見て笑顔になる。宝は、女性使用人たちの間では既にモテており、お世話をお願いすると取り合いになったりしてる。

――よかったね宝。

 宝を病院で産んだ時は、その誕生を祝ってたのはあたしだけだった。

 新生児室に行くと、宝以外に生まれた赤ちゃんの家族だとか、親戚だとかが来ていて、ガラス越しにのぞきこんでる。

 「かわいいわね」「パパ似?ママ似? いやじいじだろ」と、にこやかに談笑してる姿を見る。

 出産したママのお部屋をちらと見ると、お友達がお見舞いやお祝いを持って来てて、楽しそうに会話してる。

 でも、宝を見に新生児室に行くのはあたしだけ。お部屋に宝を連れて行っても、誰もその顔を見に来る人はいない。祝福しに来てくれる人もいない。

 それでも、あたしがいるから、いいよね、って「可愛いね、誕生おめでとう」って、他の人の代わりに小さな宝に毎日声をかけてた。

 でも今は、たくさんの人たちに囲まれて、温かな笑みと幸せな言葉をいっぱいかけてもらってる。何よりパパに抱っこしてもらってる。

 もし、お父様が生きてらして、宝を見たら言うのかな? 愛されて生まれてきて、人を強く愛し抜く力が見えるって。


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