第12章 ★ハワイ旅行

　最強の遺伝子がお腹の中にたまってて、じんわりあったかい。予定では明日か明後日に月経だから、多分妊娠はしてない。

　だからって避妊を怠ってはいけないことはもちろん知ってる。けど今回だけはごめんなさい。ハワイの熱に浮かされてしまった。

　可能性は低いけど、もし赤ちゃん出来てたら……って悟くんにちら聞きしたら、
「心配すんな、オマエのこと何があっても離さねーから」って、悟くんはぎゅって強くあたしを抱きしめた。

　どういう意味だろ。婚約者は誰なの？　悟くんはもう知ってるんだよね？　遺言の内容は？　これからもあたしは五条家にいれるって思っていいの？　悟くんの側にいれるの？

　次はちゃんと避妊するって悟くんは言った。あたしも頷いた。そうすべきだ。無下限の遺伝をしてない五条の子供を産むなんて、そんな迷惑だけはかけちゃいけない。

――こう言いながらあたしは、1年後に妊娠してしまうことになるのだが。