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【呪術廻戦】-5歳で五条家に来ました-

第3章 使用人


 あたしは久しぶりに悟くんに泣かされた。涙が頬を伝って床にぽつりぽつりと雫が垂れ落ちる。

 手に持った携帯の画面を見ると悟くんの顔がヒビで歪んでいる。あたしが泣いてるのは、悪ふざけしてるピース写真が壊れたからじゃない。

 画面が割れたからでもない。悟くんが怒ったからでもない。ブスって言われたからでもない。




 貴重な一枚。悟くんとの写真が台無しになってしまったから。それは2人で撮った本当に貴重な写真だったから。


 そして……
 こんな優しい顔で微笑む悟くんを見たのは初めてだったから。




 二度と同じ顔なんて見れそうにない。ちゃんと記憶に留めたい、目を閉じれば浮かぶくらい覚えていたい美しい顔だった。


 それから悟くんとは口を効かなくなった……。

 何度か夕凪〜って話しかけられたけど、許す気持ちになれなかったし、何てことない顔していつもみたいに話しかけてくることに腹が立って、完璧に無視した。

 多分、それで悟くんも逆ギレしたんだろう。夕凪が無視するから俺も無視してんだからなって……彼は拗ねてそのうちあたしに話しかけてこなくなった。ほんとに子供っぽい。

 なんで、あの時……あたしの携帯の写真を見た時、悟くんがあんなに怒ったのか? それはだいたい想像がついてる。

 あたしが卒業生を祝う会で最高のスピーチをするからしっかりそれ聞いて、大人になりやがれ!!

 ……やだ、この言い方は悟くんみたい。移ってるの怖すぎ。

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