第12章 ★ハワイ旅行
「日本のバラエティやってるから一緒に見ようぜ」
悟くんはあたしが彼Tに照れて出て来れないんだと思ったみたいだ。手をひかれて、そのまま部屋の中に連れて行かれる。確かに彼Tも恥ずかしくない事はないけど、下着はそれ以上だ。
「悟くんのTシャツぶっかぶかだね」
「オマエがそれピッタリサイズだったら怖ぇーわ」
「なんか恥ずかしい。変じゃない?」
「その格好嫌いな男なんていねーよ」
わかりにくいけど、好きって事なんだろうな。こっちは歩く度に下から空気が入り込んで、太ももがすーすーするんだけどね。その上の秘所はさらにすーすー。
誘導されて悟くんと一緒にベッドの淵に腰掛けた。隣同士で並ぶ。目の前のテレビからは芸人さんがトークしてる日本語の番組が流れてる。
ふと自分の腿を見ると、超ミニスカ状態だったから、Tシャツの裾を手に持って、脚を隠すように少しだけ引っ張って座り直した。
と、そこへ、悟くんが急にどかって頭を乗せてきた。あたしの膝の上に寝転んでる。なに? なになに? 彼の頭が膝に乗ってる。こんな事してきたの初めて!
「な! ちょっと、いきなり何? あたしのお膝だよ」
「許可いんの? 彼女なんだから空いてるだろ?」
「空いてはいるけど……」
心臓がバクバクしてる。これって……膝枕じゃん。太ももが悟くんの頬と密着してる。
そのまま彼は、あたしの膝を枕にしてテレビを見てるけど、くすくす笑う度に温かい息が腿にかかって、その度にむずっとしてきゅうって脚を閉じる。わざとやってる? わかんないけど、彼はテレビに集中してるみたいだ。
ほんの僅かでも、あたしの膝の上で、悟くんの疲れが取れたりしたらいいな。呪術師の任務は重い暗い案件が多いから。普段、滅多に触らない彼の髪をいじったり指で梳いたりしながらTVを見ることにした。
近くにカメラがあったから手に取る。
カシャ
[Photo No. 8]
彼T着た夕凪の膝の上に寝転ぶ悟。
「こんな写真撮るのをバカップルって言うんだろうね」
「オマエが撮ったんだからな。主語を大きくすんな。2人1組にすんな」
きらーいっ! 膝から落とすぞこらっ!