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【呪術廻戦】-5歳で五条家に来ました-

第12章 ★ハワイ旅行


 高級ホテルの開放的なロビー。高い天井にはシャンデリアが飾られ、広い窓からは明るい光が差し込んでいる。軽食がとれるコーナーには白いグランドピアノが置かれていてジャズの自動演奏が流れていた。

 宿泊客で賑わうそんなロビーを通り抜けて、悟くんは暗いホテルの裏口へと回る。従業員に話しかけて何か尋ねているみたい。時計を見てるから時間を確認してるのかな?

「間もなくだなー」
 悟くんが言う。しばらくすると、シーツなどの汚れ物を収集するワゴンがホテルの横に着けられた。ホテルのスタッフが出入りする裏口からひとりの男が出てくる。

「みーっけ、犯人オマエだよな、夕凪知ってんだろ」

 悟くんに話しかけられた男が、あたしの方を見て、目をぎょろって開いて少し興奮したような顔をした。気持ち悪ーい! 

 思わず悟くんの後ろに隠れる。けどこの人はテレビで流れていた犯人の顔とは違う。

「悟くん、顔違わない?」
「特殊メイクだよ。ハリウッドで働いてた職歴でもあるんじゃねーか。けどカラコンつけてもメイクしても虹彩までは変えれねーからな」

 悟くんの六眼で、そんな細かいところまで見えるのか。めちゃくちゃ目がいい。その男はまさにゴリラっていうのがふさわしいムキムキなボディ。タトゥーがびっちり両腕に入っていて現地の人っぽい。

「ポーターが荷物運ぶ時に、こいつ後ろにいてさー、シーツ運ぶ傍らずっと僕らの方見てて、なーんか視線気になってたんだよね」

 さすが呪力を持たないフィジカルギフテッドすら気取るだけの事はある。どうやらゴリラタトゥーはホテルのシーツをクリーニングする清掃員で高級ホテルに出入りしている人物のようだ。

「彼氏がいるのに、下着狙ってくるなんていい度胸だよなー」

「Did you like her so much?」
 そんなに夕凪が気に入った?

「カワイイ ニホンジンスキ」
 あたしをジロジロ見てきた。やだ! またこの手のカタコト日本語喋る人? きしょい! 絶対あたしだけじゃなくていっぱい日本人狙ってんでしょ!


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