第12章 ★ハワイ旅行
その後は、海に浸かったりビーチボールで遊んだり、ハワイのウォーターアクティビティを楽しんだ。サーフボードの上に立って、カヌーみたいに海の上を進むSUPが楽しくて、2人乗りして無邪気に戯れた。
「遊んだねー」
「きゃっきゃ言うから、全力で遊んでやったわ」
「なにその言い方。それは5才の時のあたしのセリフだからね。悟くんと遊んであげたんだからね」
「蛙はビビるし走るの遅ぇーし、全く相手にならなかったけどな」
「ひどい! 誰も悟くんの相手なんか勤まんないんだから! どんだけ戦いで傷だらけになったと思ってる? あたしのお人形の髪、切ったでしょ! 遊べないようにしたでしょ? こんな悟くんといつまでも仲良くしてあげてるあたしは超レアだから! 彼女やってるなんて自分でも信じらんない」
「……」
「なに? なんで黙るの」
「いや、よくオマエを見つけたなって」
「ん?」
「ガキの頃の僕の話」
なにノスタルジーに浸ってんの? 変なの。見つけたって何。あたしが蛙にひるまなかったからたまたま選んだだけでしょ。
写真撮るっていうから海を背景に横に並ぶ。悟くんがグラサンを頭に掛けた。なるほどモデルはポーズも違うな。
かっこいいからあたしも真似してグラサンを頭に掛けた。カメラはリーチの長い悟くんがシャッターを切る。
しょーもない痴話喧嘩しちゃったし、仲直りの意味もこめて、シャッター押す前にぎゅーって横から抱きついてあげた。大サービスだ。
カシャ
[Photo No. 7]
ありえんくらいの笑顔作ってぎゅーした夕凪と満更でもない顔した悟
「突然ぎゅーってされても動じないんだね」
「オマエがやりそうな事はあらかじめ予想がつくだけ」
はぁー、全ての発言がムカつく。優しい時との温度差ありすぎ。今度、思いっきり真正面からビンタでもしてみよっかな。これは予想出来ないでしょ!
まぁー甘い甘い。誰もこんな五条悟のラブな話、聞きたくもない、そんなハワイ旅行2日目の昼下がり。
――突然事件は起きた。