第12章 ★ハワイ旅行
ベッドに戻ると、悟くんはまだ眠ってた。すぅすぅ寝息を立てている。最強呪術師でも寝顔はあどけない子供みたいでちょっと可愛い。
こんな無防備な時こそ、イタズラの仕返しでもしてやろうと思うんだけど、子供の時なら"サル"とでもおでこに落書きしたんだろうけど、今はそんな低レベルなこと誰かさんと違って出来ない。代わりに……
カシャ
[Photo No. 6」
爆睡中の可愛い悟くん
撮ってやった。怒りそーだけどいいや。おでこにサルよりましでしょ。ふふっ。撮った写真を眺める。
「何にやけてんの?」
「!? 起きてたの?」
「今、目ぇ開いた。何見てんの?」
「別に」
手に持ってたカメラを慌てて枕の下に隠す。
「二度寝するから、おやすみ」
ぷいって背中を向けたけど……まぁ、ご想像どおり後ろから抱きしめられまして、首筋やら、うなじにキスされまして、二度寝は無理になりました。なんとか寝顔の写真は死守したけど!
そんな朝の始まり。
旅行はとっても順調! 朝食にパンケーキやアサイーボウルを食しハワイの食事を満喫。予定通り、水着に着替えて薄手のトップス着て午前中はビーチに繰り出した。やっほい!
ビーチパラソルとビーチチェアーをレンタルして砂浜にセット。本日も彼氏は安定の日本人離れした抜群のモデル感を出している。
慣れた感じで、ドカッてビーチチェアに斜めに寝そべって、頭の上に片腕を敷いて、もう片方の手でブルーハワイのトロピカルドリンクをストローでチューって吸う。
なんちゅー被写体だ。昨日も思ったけどハワイ似合いすぎ。羽織ってるアロハシャツから、ちらちら見え隠れする鍛え上げられた胸筋と腹筋がやらしっ!
通りすがりに、Ha〜i♡ って悟くんに手をヒラヒラしてくる外国人女性もちらほら。
でも、不思議と今日はあまり嫉妬しない。それは、お揃いのバングル付けてるから。昨日、悟くんがプレゼントしてくれたハワイアンジュエリーだ。
そしてもう一つ、昨晩シャワールームで、あんな行為しながら互いに自分のものだって確認し合ったから、なぁんて……。
「夕凪ー、顔がタコ見てぇなってるけど、どうかした?」
「なんでもない! なんでもない! なんでもないから!」
何思い出してんだろ。バッカなあたし。